モンベルの気概

学生の頃からつかっているレインウェアもそろそろ切替時期かな、と思い
ゴールデンウィーク中に、モンベルのショップへ行きました。

今年はどのアウトドアショップでも「屋久島トレッキング」を打ち出していて
数年前の「富士登山」ブームにとってかわろうとしています。
屋久島は雨の島といわれるくらい、降雨日が多く、レインウェアは欠かせません。

モンベルもレインウェアコーナーを入り口近くにかまえ、かなりの意気込みよう。
ここはいっぱい飲まれてみようと、ねこまきもジャケットを手に取って見ていると
「もしよかったら着てみてくださいね」とすぐに店員さんが駆けつけてきました。

よく見るとその店員さん、昔いっしょに仕事をしていたフチガミくんにそっくりです。
フチガミくんは関西弁をあやつり、大阪人を絵に描いたような商売根性のある男。
「ちょちょちょちょちょっと、なんやのソレ、納期間に合わへんの」とすぐテンパる男。

モンベルのフチガミくんは、関西弁はしゃべりませんが自社製品を熱く語りだしました。
「今こちらに並んでるレインウェアは今期のもので、新しくなったんですよ!」
どうやら、モンベルの主力商品ストームクルーザーは今期ひと味ちがうようです。


「実は、この内側の糸が、今までのものよりも細くなりまして・・・」


まじですか。糸の話ですか。
「新型プリウスはネジが改良されました」と言われているようなもので、地味すぎます。

モンベルは日本を代表するアウトドアメーカー。創業者の辰野さんは根っからの山屋。
繊維メーカー勤務経験が起点となり、アウトドアウェアを作りはじめたそうです。
だからか、モンベルの製品はデザインは今一歩というところはありますが
低価格で高機能高品質、日本のものづくりを絵に描いたようなメーカーです。

レインウェアはゴアテックスを使ったり、どんなに防水機能がしっかりしていても
縫製部分は小さな穴があいているわけで、そこから浸水することがあります。
理屈はそうなのですが、よっぽどの豪雨ではない限り問題ないでしょ、というのが本音。
それでも、糸一本一本にこだわりを捨てないモンベル。譲れない、ものづくりの気概。

ちなみにレインウェアはまだ使えそうなので買い替えませんでした。