株式会社 鳩山内閣

 前の職場に、一度も選挙にいったことがないパートさんがいました。20代半ばで二児のママ。ちょっとのんびりしたところがあって、明るい笑顔のママさんでした。その頃はちょうど「政権交代」というコトバが飛び交っていたときだったので、一回くらい行ってみたら?と、選挙や政治のことをざっくばらんに話してあげました。

 説明しながら、やっぱり日本の政治はわかりづらいよなあ、としみじみと思います。まして、選挙に行きたくなるように魅力的に話そうとしても、その魅力がみつからない。政権交代とマニフェストあたりで説明したものの、結局「選挙は義務だからね」てなコトバで落ち着いてしまいました。投票にいくとQUOカードが貰える、とかやればきっと投票率はあがるんだろうけれど。


 そこで「株式会社」として考えてみるという名案を思いつきました。


 日本という会社を経営する社長が内閣総理大臣。内閣が執行役員。国民は株主であり顧客。「株式=投票券」とみたてれば、投票した国民は株主なのである。株主なんだから会社の経営に文句だって言うのである。リターンだって求めるのである。会社は経営目標を遵守達成しなくっちゃいけない。

 そう考えてみると「株式会社 麻生内閣」の失脚は目に見えていた。麻生社長に経営者の素質が疑われていたんだもの。そうして自民党グループから民主党グループへと経営譲渡された。

 「株式会社 鳩山内閣」の白眉は”事業仕分け課”の仕事であった。グループ企業の公益法人というやつを、蓮舫主任を中心とする事業仕分け課がバサバサ切り倒した。公益法人という子会社の実態を株主の前にあかるみにしてくれた。だって会社は赤字経営なんだもの。株主からしてみれば不採算経営の子会社なんていらないんである。放漫経営にTKCもびっくりなのである。

 ところが、鳩山社長と小沢会長が辞職した。鳩山社長が「沖縄には飛行場つくりませんよ」と株主や消費者に約束していたにも関わらず、やっぱムリでした、っていうんだもの。これはアメリカグループのオバマ社長との契約をとってしまったからなのだろう。まあ、社長は会長のいいなりだったっていうし、会長もよくわからないカネを使ってたし、トップが無能だと会社はよくならないものね。
 個人的にいわせてもらえば会社経営は3~4年目で軌道にのればいいほうだし、株主もちょっと焦り過ぎの感もあると思う。株式会社小泉内閣の小泉社長の在任期間が長かったのを考えれば、そう思うのだけれど。


 そんなこんなで次の社長が誰になるか気になるところ。サラリーマンのみなさん、帰りにいっぱい飲みながら「株式会社○○内閣」を自分の会社と照らし合わせてみてはいかが?