木工芸指物 鈴木光爾のダイヤカット展

茨城県牛久市で催されている、鈴木光爾展に行ってきました。
指物を中心とする木工芸作家。伝統工芸品から家具まで幅広い展示です。


(うずら杢の花器「宇」 左手前には「南天香合」)


(「チークドレッサー」 木目が映える見事な飴色)



指物(さしもの)とは、奈良平安時代から続く伝統的な木工技法のひとつ。
指先でさまざまな物をつくるという意味のほか、
ものさしを自在に操り正確な寸法でつくるという意味があります。
技術そのものをさす以外に、つくられた木工品も指物と呼ぶそうです。

(端整な「山桜小引出し」 シンプルで上品)


(木目をいかした木工小物も)




鈴木光爾さんの作品の特徴に「ダイヤカット」があります。
これは一枚一枚の木片をダイヤモンドの形状に組み上げる独特の技法。
江戸指物や京指物にはみられない、全国で唯一の技術です。

樹木特有の有機的な紋様を、幾何学的に組みあげます。動と静の混在。
偶然が入り込もうとする隙をあたえない、計算をつみあげていった作品といえます。

(ダイヤカットで組まれた箱。完成までに1年費やすことも)


(DMの「黒柿拭漆八弁鉢」重厚感ありました)



大谷石と漆喰の白を基調としたギャラリーで、光の加減が絶妙です。
木の茶色とあいまって色彩の美しい展示でした。木が好きな方にはたまらないですね。

場所や会期など詳しい内容はこちらから
JR常磐線ひたち野うしく駅より徒歩5分、アートスペースあるる 入場無料 1/23まで☆