西堀酒造の蔵開き『若盛祭』

栃木県小山市にある西堀酒造の蔵開き『若盛祭』に参加しました。

遠方のファンも多く、敷地内は大にぎわい。利き酒やミニコンサート、地元店の屋台など地元密着型のイベントです。

あまり知られていませんが、栃木県は全国でも酒造りの盛んな地域です。日光山系からの伏流水、良質で豊富な米、都心に近い立地の良さなど環境に恵まれて、明治時代には全国3位の生産額を誇ったといいます。その中でも小山では、明治期には15人ほどの酒造家がおり一大産地でした。現在は西堀酒造を含めた5つの蔵元が伝統を受け継いでいます。




にぎやかな敷地と対称的に、酒蔵は静謐。ひんやりとした暗がりの中で眠っています。


新酒を手詰めすることができました。ちょっと嬉しいレア体験。




西堀酒造は明治大正期の近代建築を今に残しており、国登録有形文化財となっています。

国道4号沿いからもわかる煉瓦煙突。野木町の下野煉瓦製造会社の赤煉瓦を使用。
壁面の亀裂は、関東大震災の被災を物語っています。


仕込み蔵を改装したアンテナショップ。往時の雰囲気を残します。
お酒のラインナップについつい目を奪われますが、天井もまた見事。ぜひ見上げてみて。



敷地内に「近江やラーメン」というラーメンやさんがあります。
なんでも日本唯一の酒造直営ラーメンやさんだとか。

ラーメン
しっかりとした手打ち麺にあっさり醤油スープがよく絡む。うまい。
実はスープのベースに、相当な量の日本酒をつかっているそうです。
仕込みの段階でアルコール分はすべて飛んでしまうため、旨味成分だけが残るとのこと。


つけめん
キツすぎない魚介系スープでぺろりと頂けます。
麺のうまさを良く味わいたいならこちらがオススメ。

いずれも酒造り用の水をつかっています。水の美味い飲食店は、はずれがありません。



そしてこちらはおみやげの手詰め原酒。ここしばらくは夜のお伴となりそうです。



この蔵開きは毎年3月と10月に開催されます。
ちょうど新酒造りをはさむように行なわれるため、それぞれ蔵の雰囲気が違うんだとか。
なお、酒蔵見学は希望者がいれば随時行なっているそうです(要予約、無料ガイド付き)

お酒好き以外にも建築ファンや歴史好き、ラーメン党の方も必見ですね☆