山歩きの初心者なら、だんぜん大山(栃木県)

山登りをはじめたばかりの人に「栃木県内でオススメの山はなんですか」と聞かれたら、ねこまきは迷わず「日光にある大山」と答える。県南に小山という街があるけれど、それとはまったく関係ない。


(栃木県の県花ヤシオツツジ。大山では5月上旬頃に開花)


取り付きの良さだけでいえば同じく日光の鳴虫山がいい。一応1000mはあるし、けっこう登りのキツさも味わえる。下りはちょっと急勾配だけど、憾満ガ淵の開放感はなによりのご褒美でもある。あれはハマる。けれど、残念なことに展望がない山なのだ。


その点、大山は気持ちのよい展望が味わえる。霧降から合柄橋〜山頂、そこから猫の平を経て滝へ向かうルートが好きだ。1158mの標高だけれど、そんなに登りもキツくないので気軽に行ける。ツツジも綺麗だし。けっこう毎年のぼってるような気がする。


(やや紫がかったトウゴクミツバツツジ。三つ葉が目印)


大山は霧降高原近くにある。東武バスだと「隠れ三滝入口」か「霧降高原」で降車する。「隠れ三滝入口」からだと取り付きまでやや遠く、登山口がみつかりにくいので注意。沢が気持ちいいけどね。「霧降高原」からだと、大きく看板が出ているのですぐわかる。でもずっと下りだけどね。どちらもバスの便数が少ないので要確認。


そんなわけで、GWの終わりに大山に登ってきました。



(5月上旬でまだカタクリが咲いていた)



登山口からしばらくは笹が生い茂った山道が続く。合柄橋をすぎて階段を越えると、一気に視界が広がる。これが楽しい。






(来た道を振り返る。正面右に赤薙山と丸山、左に男体山)


山頂で昼食を済ませ、霧降牧場を進んで行くと、猫の平につく。だだっぴろい高原であたりに遮るものが何もないから、雨なら残念、晴れたら最高。雨具と陽射しよけの帽子は忘れずに。









猫の平からマックラ滝へ。急な下り坂なので気をつけたい。

霧降高原といえば霧降ノ滝が有名だけれど、個人的には「マックラ滝」「玉簾の滝」「丁字の滝」の隠れ三滝のほうが好きだったりする。水量は霧降ノ滝が一番なんだけど滝壺近くまで行けない。一方、隠れ三滝はトレッキングルートにあるのでかなりギリギリの所まで行けるんである。だから迫力がある。穴場である。もちろん自己責任だけれど。




(ワイドに広がる玉簾の滝)


(ユニークな名前だけれど迫力あるマックラ滝)



(青葉の季節にはまた雰囲気が良い。8月撮影)


今年は例年とくらべて花付きが遅いようですね。そんなことを霧降ノ滝近くの茶店の主人と話していたら、離れの茂みでガサガサ音がした。バナナオレを飲む手が止まる。なんだろうと思って見てみると、艶やかな雉が現れた。




(色鮮やかなオスのキジ)


(こちらはメス)

運がいいと会えるらしい。


花には外れたけれど雉に当たったからまあいいか、とバナナオレを飲み干して席を立った。ありがとう、とコップを返して帰ろうとしたら、後ろの方から声がする。振り返ると主人が手を振っている。きっと来週は見頃です、また来てください、とか言っている。ええ次こそは、と答えてこちらも手を振った。恥ずかしかったが、ちょっと嬉しい気分になった。自然と暮らす人は素直だ。やっぱり、山はいい。



そんなわけで、大山では今週末あたりがヤシオツツジなど見頃かと思います。
ねこまきの代わりに、みなさん是非いってきてください☆